結婚相談所の公式サイトに記載されている成婚率とは、具体的に何を意味するのでしょうか?
成婚率とは、結婚相談所の会員が結婚相手と出会い退会した割合、として成功率を示す重要な指標です。
この率は、①提供されるサービスの質の高さ、②他の結婚相談所との差別化、そして③会員に対する信頼性と成功の可能性、という3点を表す重要な数字として機能します。
つまり、成婚率が高い結婚相談所は、会員が結婚相手を見つける確率が高いことを示唆しているのです。
このページでは、成婚率に関する業界の平均値と各社成婚率の比較を解説し、あなたが賢い選択をするためのガイダンスを提供します。
成婚率を元に結婚相談所を選ぶ方法
成婚率を元に結婚相談所を選ぶには、以下の3つを理解する必要があるでしょう。
順番に解説していきます。
- 成婚率の各社比較
- 成婚率の計算方法
(※)成婚率のみが重要な指標なのではなく、サポート別のタイプ(仲人型やデータマッチング型など)や料金(高額料金・格安料金)、店舗の有無も重要になってきます。
①成婚率の各社比較
各社成婚率の比較表ですが、全体成婚率・退会成婚率については計算方法が違うため、次の見出しセクションで解説しています。
◆退会成婚率で比較する結婚相談所
結婚相談所名 | 成婚率 | (※) |
---|---|---|
IBJメンバーズ | 54.5% 退会成婚率 |
2022年1月~6月の半年間での主要コース実績 一定期間の全退会者に対する成婚退会者の割合 |
ナコード | 41.3% 退会成婚率 |
2022年6月~12月の半年間で3ヶ月コースの実績 ※退会成婚率とは、一定期間の全退会者に対する成婚退会者の割合 |
フィオーレ | 52.8% 退会成婚率 |
2012年~2022年の全退会者のうち成婚退会者の割合 |
サンマリエ | 48% 退会成婚率 |
一定期間の全退会者に対する成婚退会者数 |
◆全体成婚率で比較する結婚相談所
結婚相談所名 | 成婚率 | (※) |
---|---|---|
エン婚活エージェント | 約30% 全体成婚率 |
年間成婚退会者数÷毎月の平均活動会員数×100 |
ゼクシィエン婚活エージェント | 約22% 全体成婚率 |
一定期間の全会員に対する成婚退会者数 |
パートナーエージェント | 27% 全体成婚率 |
一定期間の全会員に対する成婚退会者数 |
オーネット | 約18% 全体成婚率 |
一定期間の全会員に対する成婚退会者数 |
②成婚率の計算方法
成婚率には「全体成婚率」と「退会成婚率」の2種類があり、計算方法によって得られる数字に大きな違いがあります。
- 全体成婚率:例:パートナーエージェント 27%
一定期間内の成婚退会者数÷同一期間の全会員数×100 - 退会成婚率:例:IBJメンバーズ 54.5%
一定期間内の成婚退会者数÷同一期間内の全退会者数×100
全退会者とは:婚活を諦めた、他で出会いがあった、結婚相談所を乗り換えたなどを含む
全体成婚率は、一定期間内の成婚退会者数を同期間の全会員数で割り、100倍することで算出されます。
一方、退会成婚率は、成婚退会者数を同期間内の退会者全体で割り、100倍します。退会者には婚活を諦めた人や他の結婚相談所に移った人も含まれるため、退会成婚率は計算の基準が狭いことから数字が大きく見える傾向があります。
この違いを理解することは、成婚率を評価する上で重要です。
②成婚とはどの時点のこと?
・婚約成婚:プロポーズまたは婚約した状態
・意志成婚:二人の結婚の意志が固まった状態
結婚相談所を選ぶ際は、成婚の定義をしっかりと確認し、自分に合ったシステムを選ぶことが重要です。
成婚地点 | a.真剣交際→ | b.結婚の意思&退会→ | c.プロポーズ→ | d.結婚 |
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経済産業省の資料 | 成婚 |
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IBJメンバーズ | 成婚 |
|||
パートナー エージェント |
成婚 |
|||
ゼクシィ縁結び エージェント |
成婚 |
成婚 |
||
オーネット | 成婚 |
|||
フィオーレ | 成婚 |
上表のように各社「成婚」と呼ぶ地点が、同じではありません。つまり、同じ成婚率という指標を見ているようで、その中身は各社違った物差しになっているいます。
ですから、単純に横並びで比較するのが難しいという現状があります。
成婚率は結婚できる確率なの?
成婚率は結婚できる確率では、ありません。
成婚率は、一定期間内に結婚して退会した会員の割合を示しますが、これが直接「結婚できる確率」を意味するわけではありません。なぜなら、成婚率は様々な要因によって左右されるからです。
例えば、特定の期間に20代の会員が多く入会した場合、統計的に活動期間が短く結婚しやすいこの年代の存在が成婚率を押し上げる可能性があります。しかし、これは結婚相談所のサービスの質が向上したことを必ずしも意味しません。
結婚しやすさ 女性 |
25歳〜29歳 | 35歳〜39歳 |
---|---|---|
在籍日数 | 181日 (約6ヶ月間) |
246日 (約8.2ヶ月間) |
出典:IBJ成婚白書2022(2023.5.18リリース)
成婚率だけで結婚相談所を選ぶべきではない
成婚率が高いというだけで結婚相談所の全体的な品質や効果を判断するのはリスクが伴います。
重要なのは、あなたのニーズに合ったサービス内容、サポート体制、会員の質など、成婚率以外の要素もしっかりと評価することです。
成婚数は年々増加傾向
成婚率は結婚相談所選びの重要な指標の一つですが、これだけに注目しては不十分です。実際には、成婚数の年々の増加が、業界全体の健全性とサービスの質の向上を示唆しています。
例えば、IBJのデータによると、成婚数は毎年増加しており、これは単に多くの人々が結婚相談所を利用しているだけでなく、効果的なマッチングとサポートが提供されていることを示しています。
IBJ2022年の成婚率は15.5%
IBJ | 成婚率 | 成婚退会者数 | 会員数 |
---|---|---|---|
2017年 | 9.6% | 5,708名 | 59,128名 |
2018年 | 10.0% | 6,344名 | 63.125名 |
2019年 | 12.2% | 7,847名 | 64,520名 |
2020年 | 12.8% | 8,624名 | 67,512名 |
2021年 | 14.4% | 10,803名 | 75,191名 |
2022年 | 15.5% | 12,437名 | 80,296名 |
出典:IBJ
業界平均約10%:経済産業省2022年資料
JMIC | 成婚率 | 成婚退会者数 | 利用者・在籍会員数 |
---|---|---|---|
2013年 | 8.2% | 21,021名 | 255,861名 |
2014年 | 8.5% | 22,514名 | 264,969名 |
2015年 | 7.5% | 23,107名 | 306,559名 |
2016年 | 9.3% | 28,242名 | 301,668名 |
2017年 | 9.2% | 30,473名 | 332,552名 |
出典:経済産業省(2022年)
JMIC(日本結婚相手紹介サービス協議会)会員企業の利用者・在籍会員、成婚退会者数の推移
成婚率に関するまとめ
成婚数の増加は結婚相談所が提供するサービスの改善、会員の多様化、そしてより効率的なマッチング手法の導入など、複数の要因によるものです。
成婚数の増加は、相談所が成果を出している証拠であり、これを考慮に入れた結婚相談所選びが重要です。
成婚率と共に、成婚数のトレンドを見ることで、結婚相談所の真の実力をより総合的に評価することができます。
ただし、数字だけではなく、サービス内容や口コミ、料金体系なども総合的に検討することが重要です。